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破裂寸前の夜②ホテルで苦しむ彼女「不倫の罰じゃないよね?」

不倫の罰 W不倫のトラブル・悩み・想い

彼女の身体に異変が

前の話はこちら

バスルームに籠もった彼女

彼女は「気持ち悪い…」と口に手を当てて、トイレに駆け込んだ。

まもなく10:00 p.mになろうとしていた。

彼女はずっと嘔吐している。

しかも「お腹が痛い、とても痛い」と悶え苦しんでいる。

僕は、バスルームに入ろうとするのだが、彼女は引き戸の扉を体でブロックして、僕を入れさせようとしない。

「見ないで、入ってこないで」「こんな姿、見せたくないの」と。

その間も、「痛いよー。どうしちゃったんだろう。気持ち悪いよー」と言いながら嘔吐している。

それを扉を挟んで聞いている。

…子宮が痛い?

扉の隙間から、彼女の姿は少しだけ見える。

少し、彼女の反応が静かになった。

隙間から覗くと、疲れきったのか、痛みで失神しているのか、便座に体を預けた状態で眠ったように、ぐたっとしてる。

扉を押さえていた体がない、今だ。僕は引き戸を押し開けてバスルームに入る。

「大丈夫か?」

「なんで入ってきたの?こんな姿、見られたくないの」

タオルを濡らし、彼女の髪と顔を拭く。

「吐き気はどう?」

「今は、収まった気がするけど、お腹がとても痛いの」

ベッドへ抱えて運ぶ。彼女はお腹が痛いからか、立って歩けない。

ベッドに横たえ、水を少し渡して、痛みに耐える彼女に聞く。

「お腹のどのあたりが痛いの?」

「子宮。子宮の横が痛いの」

「どうしちゃったんだろう。セックスし過ぎて子宮が破裂したのかなぁ」

「痛い、痛いよー……」

「ねえ、子宮がそんな状態になる症状を調べて欲しいの。わからなくて怖い!」

調べても、子宮に関連する内容は、子宮内膜症ぐらいしか出てこない。

それを伝えると、「怖い」「何が起きてるんだ、私の体の中で」

若干、彼女はパニック状態に陥りながら、痛みに耐えるために丸く縮こまっている。

「きっとバチが当たったの」「勝手なことしてるから」と。

ホテルのチェックアウト時間が迫る

彼女に布団をかけて、背中をさすりながら、時計を見る。10:30 p.m.

このホテルのチェックアウト時間は11:00 p.m.

時間はもうない、決断しなければ。

このまま、彼女に痛みを耐えさせ続けていても、何の解決にはならないだろう。

医者の診察を受け、正しい判断を仰がなければ。

既に最寄りの夜間診療は調べていた。

23:30までは受付をしてくれてる。タクシーでここから移動すれば間に合うだろう。

彼女に言う。

「病院に行って診てもらおう」

彼女は痛みから、動きたくないからか、

「このまま、ここに泊まろう?くっついていよう。眠ったら痛みが止まっているかもしれないから」

「明日、病院に行くからさ」と。

彼女にも家庭がある。朝帰りは許されないだろう。

以前僕に、既婚者で不倫している人が、大人の関係について酔っぱらって話してくれたことがある。

「朝帰りは決してしてはいけない。例え遅くなったとしても何としても家に帰るんだ。」

「それが、最低限のルール」と。

当時は、その話を聞いて、この人、はちゃめちゃなことしてるんだなぁと思っていた。日頃はとても紳士な人だったから。

その話が頭をよぎり、なんとしてもお互い家に帰らなくてはと思った。

彼女を説得し、夜間診療所に電話をかける。

「腹部に強い痛みがあって嘔吐もしている。診察に連れて行きたいのだけれど受け入れ可能?」と。

「大丈夫。」「場所は分かるか?」「救急車で来るのか、タクシーで来るのか?」「何時くらいに来るか?」と質問される。

「受付、ギリギリの11:30位になると思う」

「分かって待ってる」そう受付の方は話して、電話を切った。

彼女に言う。「受け入れてくれるらしい。11:30迄には、病院に行くと伝えたから準備しよう。 痛くて辛いのに悪いけれど」

彼女は横になりながら小さく頷く。

タクシーを呼び、ホテルをチェックアウト

10:50 p.m.
ホテルのフロントに電話する。「まもなくチェックアウトするけれど、タクシーを呼んでもらえないかな」と。

フロントは「タクシー会社に電話して確認するから折り返す」と。

僕は濡らしたタオルで体を軽く拭いて、服を着た。

部屋を片付け、紙袋の中にビニールを重ねたエチケット袋を作る。

フロントから電話が掛かってきた。「11:15 p.m. になりそうだ。混み合っているみたいで」と。

「それなら、10分後にフロントに下りる」と。 今は11:00 p.m.

彼女に状況を説明し、軽く体を拭いて、ゆっくり彼女に服を着させる。

「タイツは履かなくてもいい?キツイの」と言う彼女、「大丈夫だよ。タクシーだから」と。そして、素足にブーツを履かせる。

11:10 p.m.
「ゴメン。少し我慢して」と言って軽く抱きしめる。彼女は「うん、頑張る」と答える。支えて部屋を出る。

ロビーに下り、近くのソファに彼女を座らせてからフロントでチェックアウトする。

「もう少しでタクシーが来る。大丈夫?」「うん、何とか。ここではしっかりしないとね」と彼女は言う。

11:20 p.m.
少し遅れてタクシーが来た。

「行こうか。大丈夫?」「うん、頑張る」。

普通を装いロビーを抜けタクシーへ向かう。

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